北八ヶ岳の森へ 花を探しに・・・

梅雨の季節は、晴れの日が少ないだけに、山行予定が立てにくい。
いくつか、登りたい山があったけれど、天気が悪そうだと見送りになってしまった。
けれど、この時期しか咲かない花も多く、天候がはっきりしなくても行かれるところを選んでみました。

6月といえば、山麓に咲くレンゲツツジをはじめ、亜高山帯の森にも花が多い季節です。
そこで、久しぶりに北八ヶ岳の森を散策することにしました。
大好きな北八エリアは、これまで何度となく通っていて、気軽に行けるのもいい。

レンゲツツジが見頃との情報で、八千穂高原へ行ってみることにします。
ここは秋に訪れたことがあって、周囲は紅葉の美しい森が広がり、ドライブルートとしても楽しめるコースです。

  
早朝の中央道を諏訪南ICで降り、八ヶ岳ズームラインから299号線・メルヘン街道に入ります。
蓼科を過ぎ、緩やかに高度を上げて走っていくと、道路の両側には新緑まばゆい木々が並び、
その鮮やかな緑の中に、白い花をいっぱいにつけたズミが、ひときわ美しい!

     
ズミ(酢実)は、山野に生えるバラ科の木で、秋には小さな赤い実をたくさんつけます。
メルヘン街道のあちこちで、カラマツの新緑にズミの花が満開となって、初夏らしい爽やかさにあふれています。

299号の最高地点・麦草峠(2127m)を過ぎると白駒池で、
ここからカーブを切りながら20分ほど下って、8時20分、八千穂高原に到着。
ここには、「自然園」と「花木園」があり、森に自生する花々を見ることができます。

自然園の駐車場は朝早いこともあって、停まっているクルマも3台ばかり。
開園時間が8:30だったので、ちょうどいい時間に着きました。
荷物はカメラと水筒、靴もスニーカーという軽快さで森に入って行きます。

薄曇りの空からは時々陽が射して、葉の間から朝の光がこぼれる。
フィトンチッドいっぱい、気持ちのいい森の朝♪

受付で渡されたパンフには、森の散策コースが3通りあって、森の最奥までいくコースが「緑の小径」で、
2.5km80分となっていました。迷わず「緑の小径」を行きます。

    

森は、ミズナラ、カラマツ、シラカンバ(白樺)などの木々におおわれていて明るい。
まだ蕾のレンゲツツジがちらほらと咲き、林床にはベニバナイチヤクソウが咲いて出迎えてくれました。



   

大石川が流れ込む沢には、「もみじの滝」と「飛龍の滝」があり、渓谷の清々しい雰囲気。




    

沢に架かるもみじ橋を渡り、さらに森の奥へとすすんでいくと、このあたりにはベニバナイチヤクソウの大群落!
先月いった芦川のスズラン自生地では数本しか見られなかった紅花一薬草でしたが、いまが最盛期なのでしょう、林床を埋めるほどに咲いています。


さらに小沢の橋のたもとや沢沿いに咲いている、目立つ大きな紅い花はクリンソウ

       

サクラソウ科のなかでも、大きくて鮮やかな花色のクリンソウ。濃いピンクや緋色の花弁を、緑の中で見つけたときはびっくりするくらいです。
渓流沿いや湿地など、水のあるところに生え、高さが80cmくらいあります。



森に咲く花といえば、小さな花が圧倒的に多いものです。
花の大きさが1mmとか2mmですと、カメラのピントがなかなか合わず、さらに手ぶれも手伝って、うまく写せずに苦労します。
そんな花のひとつが、クルマムグラです。

    

左は蕾のもので、まあるく並んだ葉(5〜6枚)の先に、直径2mmくらいの白い花をつけます。

これも、毎回ブレてしまい上手く撮れない花、マイズルソウ
写真で見ると大きそうに見えますが、やはり花は2mmくらいです。

写真に撮って、拡大してみてわかるのですが、繊細な花のつくりが美しく、ほぅ〜っと魅せられます。
名前の「舞鶴草」ですが、ハート型の葉は脈打っていて、その脈の丸みを帯びた圧線が、鶴が舞う姿に似ていると
いうことでついた名だそうです。なんて想像力たくましいネーミングなのでしょう。


コースは森の奥までいって、一周するかたちで戻るようになっています。

   

シラカンバの森を点々と朱色に彩るレンゲツツジ(蓮華躑躅)、ストライプ模様が美しいサラサドウダン(更紗灯台)、
足元を見たり、上を見たり、花目モードで目はキョロキョロと動いて忙しいです。



景色が明るく開けてきたと思ったら「遊亀湖」に出ました。

   

沢が流れ込んでできた小さな湖でしょうか、芽吹いたばかりの淡いグリーンが岸辺を彩り、季節が逆戻りしたような気分になります。


湖のほとりにはクリンソウが咲き、水際では白い花コンロンソウ(崑崙草)が咲いています。

陽射したっぷりの湖のほとりで、ベンチに腰を下ろしてコーヒーブレイク♪
こんな森のひと時は、たまらなく気分のいいものです。

山歩きでは、時間配分を気にしなくてはなりませんが、今日のような森の散策は、時間も気にせずゆっくりできていいです。
自然園を一周したあとは、道路の反対側にある「花木園」へ向かいます。

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