三方分山〜パノラマ台

冬枯れの山歩きに、精進湖から登る三方分山(さんぽうぶんざん)という
変わった名前の山梨百名山を選んでみた。
山名由来のとおり山域が三分割されているなだらかな山です。


精進湖畔の駐車場にクルマをとめて出発。
駐車場には役に立つコースマップもあって、今回のコースは、歩行時間ざっと5時間くらいかな?

  

その昔ここから女坂峠越えの古道として、かつては武田信玄や徳川家康も越えたという道には
鄙びた集落があり、茅葺屋根の朽ちかけた民家が何軒か並んでいる。


  
いまは誰も住んでいない民家の窓から中を覗いてみると、TVや家具もそのままに、
太い梁や黒光りした柱など、温もりが感じられて住み心地がよさそう。
もったいないなぁ〜 タダで貸してくれるなら住んでみたいくらい。。
この民家を最後に山道へと入っていく。

小沢に架かった桟道を渡るとジグザグの登りになって、
ストックの先端が突き刺さらないくらい硬く凍った山道を歩いていても
汗が滲んできて上着を脱いだ。

傾斜が緩やかになったと思ったら、女坂峠に着いた。 

ひだまりの雑木林を前方に見える三方分山を目指してルンルン歩く♪
ブナが多くなってきた、まだ葉を残しているブナも!

  
片足を斜面に踏んばるようにして根を張ったブナ。
その根元を回りこむようにして登っていくのですが、皆さん下を向いて歩いているように、
かなり傾斜がキビシイ。この上はさらにやばかった。

そうしてやっと山頂〜1422m 

カラマツに囲まれ平らな山頂は、南側だけ開けていて展望が得られるのですが、
この日は富士山のてっぺんだけチラッと見えるだけというザ〜ンネンな状況
ちょっと待ったら雲がとれるかも〜と、ここで大休止。
ザックからクリームパンを取り出し、テルモスの熱いコーヒーでブランチ。
山で飲むコーヒーって、どうしてこんなに美味しいのでしょ。。

しかし、いっこうに雲はとれず、しかたない出発しようとザックを担いで歩きだそうとしたところで、
後ろからコンニチハ〜の声。
振り向いた途端、おたがいびっくり。シオジの森で講師をなさっているYさんだった。
偶然だね〜こんな人の少ない場所で会うなんて!
いやぁ〜まったくです。悪いことはできません
彼は釈迦ヶ岳に行くということで、接点としては稀な出会いでした。
ちなみに彼は森林インストラクターなので、ブナとイヌブナの違いについて教えてもらうと、

樹皮が白っぽくスベスベしてなめらかなブナに対し、イヌブナはザラつきがあり色もブナより黒っぽい。
このことからブナのことをシロブナ、イヌブナをクロブナと呼ぶこともある。
またイヌブナには萌芽が多く見られるのに対し、ブナにはそれがない。
葉についても大きさの違いや葉裏の毛の状態などでも判別できる、ということだった。

 
山頂を後に下っていくと精進峠。道標のハノフマロ、、、思わず笑ってしまう、正しくはパノラマ台です。
このあたりはアセビが生えていて、しばらくぶりの緑。


精進峠からパノラマ台まではアップダウンの連続で、
え〜っ、こんなに下るの〜、うわ〜ん、また登るのぉおと、
ひとりブツブツ言いつつ、真冬なのに汗びっしょりになって歩く。
いい加減のぼり返しがいやになってきたところ、前方が開けてきた雰囲気〜
(ここまでさんざんパノラマ台との失望を繰り返す)

 

パノラマ台到着。

しか〜し、雲が漂い、春霞のようにもやがかかってスッキリしない景色
精進湖のむこうに御坂山塊がズラリ、奥に見える湖は西湖でその後ろに足和田山。

そして富士山は、
ごらんのようなもや〜っとした中にお顔を雲で隠されて、、、と、残念な結果。

だけど、気持のいい場所パノラマ台。ず〜っといても飽きないくらい眺めがいい。
パノラマ台には私の他に二人連れのハイカーが一組だけ。
とっても静かで、まったりできました。

さあ下山開始です。
来た道を根子峠までもどり、二股を右へと下り精進湖へ。

 

ブナ林のなかをどんどん下って行きますが、
積もった落ち葉の下はアイスバーンになっていて、うっかり油断するとズルッと滑る、こわっ。

そして本日のうれしい出会いベニマシコちゃ〜ん  

野鳥の姿をほとんど見かけなかったこの日でしたが、最後の方でこんなきれいな鳥を見ることができて大満足。

それから、冬の山に花は咲いていませんが、でもでも、

  

ドライフラワーとなって軽やかに風にゆれていたり、
冬の陽射しをあびて金色に輝いている彼女たちを見つけると、やっぱりうれしくなります。
彼女たちがこうして姿を留めていられるのも、
厳しさと優しさがバランスよく保たれている自然だからなのかもしれませんね〜

帰りの精進湖畔から眺める富士は、雲もかからず綺麗に見えました。
おしまい

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