カタクリの花が満開となったと聞いて、「城山かたくりの里」へ行ってきました。
季節が逆戻りしたような寒い日がつづき、今朝は横浜でも雪がちらついたほど、
山に向かっていくほど空は雲に覆われだして陽射しも少なめ、雨にならないといいのですが、、。
津久井湖の先、城山湖の近くに位置する「城山かたくりの里」
神奈川の歴史では、歌人・小野小町が東北の地より植えたという伝説が残る「かたくりの里」です。
津久井湖周辺には、いまとなっては貴重な里山が見られますが、そのなかでもここは、
カタクリの咲く時期だけ「城山かたくりの里」として一般開放されている個人所有の山で、
よく手入れされた里山だけに、カタクリはじめさまざまなスプリングエフェラメルに出会えます。
入り口の木戸で500円を払って園内に入ります。
さあ、林床に咲く花々を見ながら散策路をたどってみましょう。
まず一番に目につくのは、やはりカタクリ、そしてショウジョウバカマ、ミスミソウ、、
入口から花いっぱいですよ〜
スプリングエフェラメルと呼ばれる可憐な花たちが林床を彩ると、待ちわびた春の訪れです。
スプリングエフェラメルとは「春のはかない命」という意味で、「春の妖精」「春のかげろう」とも呼ばれ、
木々の葉が芽吹く前の林床にひっそりと咲いて春を告げてくれる花々のこと。
そして、スプリングエフェラメルの代表といえばカタクリです。
一面満開となったカタクリ、花々の語らいが聞こえてきそうな、、、 カタクリのおねえさんに、黄花セツブンソウが何か話しかけていますよ
駐車場からも見えたカタクリが群生している林床、
昨年は今日より4日早い3月22日に訪れていて、このときカタクリは咲き始めたばかりで群生していなかったのですが、
今年はサクラはじめ、どの花も例年より開花が早まり、カタクリも満開になっていました。
カタクリの花ですが、咲きはじめの頃は赤味が強く、だんだんと色が薄くなっていくようです。
群れ咲くカタクリの中に白いカタクリが一輪、白い花のカタクリは10000本に1本くらいのわりで発生する突然変異だそうです。
うつむいて咲くその姿に、慎ましやかな美しさを感じるカタクリ、白い花はさらに気品がありますね。
右端の黄色いカタクリ(黄花片栗)ですが、カナダ・アメリカ原産のもので、園芸種として日本に入ってきたそうです。
背丈も30〜40cmほどに高くなるとのことです。
さて、ほかのお花もごらんいただきましょう。
ショウジョウバカマ ピンクの他に薄紫や白いのもありました。
オオバキスミレ(大葉黄菫) イワウチワ(岩団扇) ミスミソウ(三角草)
たくさんのスプリングエフェラメルに出会える「かたくりの里」
カメラを手にした人たちが数多くいらして、皆さん真剣な表情で花の姿を写しています。
そうやって花に向き合い、しばし花と密接に関わる時を持つというのも、
充実した楽しい時間の過ごし方といえるでしょう。
花にかかわらず、心から夢中になれるものがあるって、シアワセなことですよね。
そして、花は足元ばかりではありません。
目線の高さや、そのもっと上で、梢にたくさんの花を咲かせている樹木があります。
フジザクラ(富士桜)がちょうど見頃 淡い色合いがきれいなボケ
ミツマタ(三又)咲く散策路 簪がわりに髪に飾ってみたい まあるい朱色のミツマタ
ベニバナヤシオツツジ ほんのり紅色がかった姫コブシ やわらかなクリーム色が優しい印象のヒカゲツツジ(日陰躑躅)
(紅花八潮躑躅)
さまざまな花の、そのひとつひとつに個性があって、色も形もほんとうに美しく、眺めているだけで心豊かになれるような気がします。
自然の丹念な手仕事による造形の素晴らしさと、絶妙な色彩に仕上げる術は驚くばかりです。
ここに掲載した他にもいろいろな花が咲いています。手軽に春の花をたのしむには、おすすめの場所です。
山を歩いていてこれらの花に出会うのはもう少し先になります。
あちらこちらと春の妖精たちを目覚めさせて、春が山を駆け上がる、これからしばらくのあいだ、春の花と出会える山歩きが楽しみです。