今倉山は道志山系の静かな山で、山梨百名山のひとつに数えられ、スミレの山としても名高く、
道志山塊の中ほどに位置することから、菜畑山や二十六夜山とあわせて歩かれているようです。
お天気がいまひとつパッとしない5月初日、スミレの花を見にのぼってみました。
道坂トンネルの両側にクルマが何台かおける駐車スペースがあり、登山口も二つあって、
はじめトンネルの反対側の方に行ってしまい、なんか違うような気がして、トンネルをくぐってみたら
バス停と今倉山の案内板があって、こちら側だと気づきました。
バス停の脇から登っていくと間もなく御正体山方向の道とあわさり、今倉山は左へ向かいます。
このあたりの林床にはタチツボスミレがたくさん咲いていて大賑わい。
登山道わきのローズピンクのすみれ、これはアケボノスミレでしょう。
春まだ浅い山は、淡いグリーンの色づきがはじまったばかり、
よく陽が射しこむ林床にスミレが点々と咲いて、上を見上げればマメザクラの白い花びらが風にゆれています。
さすがスミレの山、驚くくらいスミレがたくさん咲いています。
濃いピンク色の、とびきり大きいエイザンスミレを見つけました! パンジーくらいの大きさで、一輪でもよく目立っていました。
エイザンスミレというと右写真のような淡紅色のものがふつうですが、ときに赤みの強い花色のもあるそうです。
左の白いスミレはヒゴスミレ、ナガバノスミレサイシンの花色もブルーの濃いもの薄いものと、個体差がありますね。
濃い紫色はオオバタチツボスミレ、次々と現れるスミレたち、その写真を撮るのに夢中で、なかなか山頂にたどりつけません。
山というより森の雰囲気がする山頂までのアプローチ、急坂をひと登りして山頂に着きました。
今倉山の山頂は平べったくて展望もなく、山頂といっても通過地点のようなところでした。
今倉山頂 1470m 登山道に咲くすみれ(ナガバノスミレサイシン)
山頂から二十六夜山を目指して歩きます。
明るい尾根道の両側で出迎えてくれるスミレさんたち♪
見晴らしのいいところへ出ました、、、といっても空は曇っていて、ボンヤリした眺めです。
この先は尾根を急下降していったん林道に出て、それから登り返して二十六夜山に行くのですが、
お天気もよくないので、この日はここで引き返すことにしました。
スジボソヤマキチョウ 表側の翅はもっと濃い黄色でモンキチョウより大きい
そして〜もどる途中の森の中で出会ったのはスジボソヤマキチョウ
薄暗い森の中をひらひら舞うように飛ぶ、黄色の大きな翅がよく目立ちます。
しばらくウットリ見とれていたら、そのうち落ち葉にとまってくれました。
そ〜っと近づき、徐々に蝶との距離を縮めて接近していっても逃げる様子はありません。
どうやら飛び疲れたらしく、枯れ葉をベッドがわりにお休みになっているらしいです。
ちょうちょも横になって寝るのですね、知りませんでした、、
誰にも会わない静かな山でしたけど、たくさんのスミレに迎えられて、賑やかでたのしい時間を過ごせました。
山が日ごとに緑を増していくこれから、
目覚めたばかりの春の山は、淡い緑のグラデーションがとてもきれい。
アブラチャンの元気な葉っぱがもうすぐ開きそうだし、ヤマブキもいきいきしていて、見ているだけで元気をもらえますね。