紫陽花寺を訪ねて 川崎/淨慶寺


6月は、紫陽花を見に毎年行っているお寺があります。
あじさいの花は、雨を纏っている姿がより美しい気がするので、小雨とか曇りのお天気でもいいと思うのですが、
なぜかいつも、カンカン照りの気温も30度を超すような真夏日になってしまい、今年もそうでした。

この暑さでは、アジサイもぐったり首をたれているんじゃないかしら?などと思いながら、寺に向かいましたが、

    

そんな心配をよそにアジサイは、爽やかな水色や華やかなピンク色に咲いて、山門へとつづく小径を彩っていました。




  

ここ淨慶寺は、川崎市麻生区の静かな住宅街にある浄土宗の寺で、緑に包まれた山門および本堂の裏山は見事な紫陽花で埋まり、
また、庭にはユーモラスな表情をした石仏が何体も置かれていて、境内は穏やかな雰囲気に満ちています。




      
愉快に酒を酌み交わす石仏や腕相撲に興じるもの、その表情のどれもが微笑ましい。



         
なぜか、足の裏に描かれたお地蔵さまや、現代版の携帯電話を手にした石仏(右3枚目写真)もあります。 





  あじさい山へは、本堂横から散策路を上がると、一周できるようになっています。




   

寺の庭からつづく山の斜面には、色とりどりのアジサイが咲いて、それは綺麗! いまから40年ほどまえに植えられたアジサイだそうです。
この日は気温が30度にまで上昇して、ひどく蒸し暑い日でしたが、木々の緑に囲まれていると、ひととき暑さを忘れます。けど、やぶ蚊の集中攻撃に遭いました・・・かゆ〜い



    
あじさい山の散策路。 道のところどころでも石仏が見られ、これは寄り添う二人が彫られた石仏。


                    

                   



アジサイを眺めながら、散策路を上ったり下ったりして歩きますと、さすがに暑い。
本堂前に置かれたベンチで一休み。 ん?、今年は梅ジュースを売るかたの姿が見られません。どうしたのだろう? すでに完売しちゃったのか??
毎年ここでは、このお庭で採れた梅で作った梅ジュースを販売していたのです。

  これがその梅ジュースで、さっぱりした味の冷たいジュースに漬けた梅とクッキーが添えられ
300円でした。 あじさいを見てまわったあと、乾いた喉を潤してくれる爽やかな梅ジュースをいただくのも、ここを訪れる楽しみの一つでした。
ご住職の奥様?でしょうか、毎年軒先にテーブルを出して梅ジュースを販売していました。
売り切れならいいのですが、何か具合でも悪くて、今年は販売を見合わせたのかしらと気になりました。




      



  梅雨明け前のジリジリするような暑さ、強い陽射しが降りそそぐ庭は、
  長椅子に腰を下ろしていても、首筋を汗が伝って流れます。
  けれど、蝉の鳴き声しか聴こえてこない静かな境内で、
  ときおりそよぐ風に涼を感じ、
  暑さをものともせずに咲く花を見つめて過ごす時間もいいものです。

  日本の佇まいには、季節をよりよく感じることのできる何かがあるように思います。
  


                                                 

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