昨年の夏はアサギマダラを追いかけてこの森へ入り、ドキドキしながらも、もうちょっと行ってみようの繰り返しで進み、やがて森をぬけたら
明るい草原のお花畑が広がっていて、ほっとするやらうれしいやらでした。で、きょうもゴールのお花畑を目指します。
お目当てのレンゲショウマもたくさん咲いて、マルバダケブキで吸蜜をするアサギマダラにも会えました。

     

丈が伸びてボウボウに繁る草をかきわけ草原に着くと、あれっ、あちこち草が刈られてハゲ状態。
草原一面に咲いているフウロは倒され、山と積まれた状態ながらもピンクの花をけなげに咲かせています。

午後から晴れの天気予報は外れ、草原は霧につつまれ、太陽が照りつけていた昨年とはまったく違う雰囲気です。
梅雨明けからこっち、天候不順による日照不足の影響でしょうか、ここも昨年より花が少ないようです。



  見上げるほど大きなシシウドは、乙女高原のレポでもふれましたが、
  この大きな花も、何百という小さな花が集まってできていて、
  その一つ一つの花は繊細なつくりで美しい。

  また夏の時期はいつも花が咲いているので、寿命の長い花だなと思っていたら、
  じつはそうではなくて、傘のようになったひと塊りの花は「花序」といって、
  一斉に咲くのですが、小さな花の一つ一つは一週間ほどの命です。

  そして面白いのが、咲き始めの時は花粉を出す雄花ですが、数日後雄しべは枯れ、
  雌しべだけの雌花になります。一番目の花序が咲き終わると二番目の花序が
  咲きだし、そのときまず雄花になってから雌花になるという繰り返しで咲き続けます。
  ですから、株全体でみると、雄から雌、また雄から雌という具合に、性転換するように
  次々と花を咲かせているのです。
 
 そんな花のドラマを知ってからは、へぇ〜っとしみじみ眺めてしまうシシウドです。








草原をあとに山頂へと向かう道で年配の女性に行きあいました。
「三ツ峠はお花がいっぱい見られていいですね〜」と話しかけてこられ、お盆には毎年ここへ登って花を見にきているとおっしゃいました。
この時期、アルプスなど高山の山はたいへんな人出ですが、ここ三ツ峠はいつもより人も少なく、山としては穴場です。
林道の両脇には、シモツケソウ、タチフウロ、ソバナ、ツリガネニンジン、ホタルブクロ、メタカラコウ、オオギバボウシ、キンミズヒキなどなど
たくさんの花が惜しげもなく咲いて目を楽しませてくれます。


      
さまざまな花が咲いて歩くのが楽しい山頂直下の林道               ヤマホタルブクロ                 ねじれて花がつくトモエシオガマ  



アサギマダラも楽しそうに、次から次へといろんな花にとまっては蜜をチュッチュッ。



        
黄色い花はメタカラコウ(雌宝香)花びらは1〜3枚とアンバランスなのが魅力?

御巣鷹山の山頂へは登らず、ショートカットして木無山に向かいます。
雲が広がり、ときおりガスの流れる山頂周辺は登山者もまばらでひっそりとしています。
素晴らしい富士の眺めも今日はおあずけです。



    

三ツ峠山荘の横を下って木無山に向かう登山道周辺にはお花畑が広がり、ベンチも置かれていてひと休みするにはいい場所。
花にやってくるチョウを観察したりと、しばしのんびり過ごします。けど、雲行きはますます怪しげになってきました。
登山道はこのさき木無山で二分し、天上山を経て河口湖へと向かう道と母の白滝へ下る道とに分かれます。
とりあえず、木無山の分岐まで行ってみることにしました。

                                                     

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